カテゴリー: 映画

映画の感想をまとめたカテゴリーです。猫とは無関係ですが、映画好きなのでまとめました。新作から旧作までなんでも観ます。主にホラー、スプラッター、コメディが好きです。昔の邦画、黒澤明、小津安二郎、市川崑も大好きです。とはいえ、ロイド・カウフマンにも癒されます。

ただひたすら目で語れ!/【女囚さそり けもの部屋】

ただひたすら目で語れ!/【女囚さそり けもの部屋】

「さそり」だ。

「さそり」がやってくる。


【女囚701号 さそり】は衝撃だった。

復讐に燃える「さそり」、その黒ずくめの姿の格好よさたるや。

街に現れる「さそり」。そのただならぬ存在感だ。

そこで流れる、メロディは完全に「夢は夜ひらく」の「恨み節」。

物言わぬさそりの代わりに、歌がその心情を語る。

さそりはの心情はこうだ。


「恨んでいる」


決まっているんだ。

刑事の恋人に、出世のために裏切られた。殺そう。やるしかない。

続編の【女囚さそり 第41号雑居房】

これは正直あんまり印象が無い。

ロードムービー的だったのは覚えている。

あと、白石加代子が出ていた。


白石加代子、わかりますか。

映画、ドラマそして何より舞台で活躍する大女優です。

すごい顔をしている。
どうすごいかというと、「矢に刺されたらきっと死なないでスタンド能力を発現するのは間違いない顔」だ。


旧作でいえば、

あの名作ドラマ【セクシーボイス・アンドロボ】の、ロボの母親だ。

あの【泣くな、はらちゃん】の、越前さんの母親だ。


母親なんだ、とにかく。

これを読んでいるあなたにも母親がいるだろう。いま、どこにいる。

家のキッチンか、リビングか。

いますぐそこに行って、顔をのぞきこんでみてほしい。


そこに白石加代子がいる。

そう思ってもらって構わない。




自分は映画を見た後にちょっとしたメモをつけているのだが、

それにはたった一言、こう書いてあった。



「白石加代子の顔って、本当の意味で《能面のような顔》なのに、意味的には逆だ」


とにかく【第41号雑居房】には、そのくらいの印象しか無い。


そして【けもの部屋】だ。

シリーズ通してほとんど喋らないさそりだが、この作品でも「目」で語る。

もう、とことん目力(めぢから)頼みといっていい。

そして頼まれる方の梶芽衣子の目力が、ものの見事に語り尽くしているのだからすごい。


特に好きだったのが、

仲間(?)のユキがマンホールの隙間から火のついたマッチ棒を落とし、ナミと会うシーン。

下水道に次々落ちていく火が物悲しく美しい(それでナミが何で見つかるのか、なんて理屈はどうでもよくなる)

その後、警察(というか成田三樹夫)に利用されたユキが、ナミをマッチ棒で誘い出す。

おびき寄せられたナミが、それとなく状況を悟ったときの目。

語るのも野暮なんだけど、ただ力強く鋭いだけじゃない、その目の表情を見て欲しい。

見どころ満載の特報


また、表情といえば、松島ナミの指名手配の写真だ。

予告にも出てくるが、「かっこよすぎる」。

0:24頃だ。あれではポスターだ。警察の中にすでにさそりの信奉者がいる、という含みなのか。


また、やはり予告の中にも出てくるが、首に注射を刺される場面だ。

この注射が結局何なのか、観ててもちょっとよくわからないんだけれども、実際ナミも「目」でもって、まさに語っている。

「これ何の注射?」

1:06頃だ。そう言ってるように見える。なんなんだ。何を注入したんだ。

「撮影最高潮!」じゃないんだ。


そして、同時上映の「非情学園 ワル 教師狩り」とは何だ。

ワルが教師を狩るのか。ワル教師を狩るのか。非情学園とはどこだ。どう、非情なんだ。


「校舎に入れてくれない」


非情だ。なんでそんなことをするんだ。


「体育が無い」


ちくしょう、非情だぜ。ずっと教室のなかなんて、あんまりだ。

「トイレに行くと、ころされる」

どうすれば観れるんだ。

映画って、何だ。何のことだ/【デビルシャーク】を観た!

映画って、何だ。何のことだ/【デビルシャーク】を観た!

映画の地獄、地獄の映画【デビルシャーク】

とんでもない映画があったものだ。

つまらない、という言葉さえこの映画の前では無力だ。

道を歩いていると、目の前からこの映画が向かってくる。
あなたは「つまらない!」と全力で浴びせかける。
石で出来た「つまらない」だ(ドラえもんでスネ夫が自ら叫んで自ら乗る「ギャー!」と同じ)

だが映画はひるまない。避けもしない。
ブォォォン、パラパラパラ…………直前で粉砕される。
あなたは言うしかない。
「ぐぬっ……物理攻撃がきかないとはッ」

効かないんだ。
攻撃を無力化するんだ。
おそろしいよ、デビルシャークは。

まず冒頭から驚かされた。
まったく「映画」に見えないのだ。
かといってテレビドラマにも見えない。
画面の質感のせいだろうか。音楽のせいか。出ている役者が無名だからか。編集のぶつ切り感か。
なんでだ、どういうわけだと考えながら見たから、ただでさえわかりづらいストーリーが余計にわかりにくくなる。

サメは思いっきりCGだ。というかバーチャファイターみたいなポリゴンに近い。
しかも出てくるシーンはすべて同じ映像の繰り返しだ。

役者の演技はもちろん棒だ。
外人の役者の上手いヘタなんて、この映画に出会うまでは気づいたことがなかった。
これはもう、はっきりヘタだ。
流れからして絶対に驚かなきゃいけないシーンで、一人ぼうっと突っ立っていた女。
あれはなんなんだ。監督は撮ったシーンを見直さないのか。
あと血糊も薄い。ありゃあ色水だ。

ただそういうことは、これまで観てきたB級ないしZ級映画にもあった。
「ありゃあ色水」だといったところで、そもそも「血」じゃないのだから。血糊>色水というのもおかしい。


しかし、あきらかにこの映画はそれらに比べて抜群に「映画」に見えない。

ひとつ思い至ったのは、画面が微妙に動いている点だ。
画面が首のすわっていない赤ん坊よろしく、揺れている。思いっきりではなく、微妙に。
それが映像に手作り感というか、ホームビデオ感を醸し出してしまっているのではないか。

また、終盤のクライマックスらしき場面だ。
エクソシストと、デビルシャークにとりつかれた女、その友達が画面に収まる(言い忘れたがこの映画の原題は「ジョーズVSエクソシスト」)

この場面、三者が画面におさまってる。
それはもうぴっちりと、点線が見えるくらいに立っている。

これはなんか、へんだ。

最初は何がへんなのか、わからなかった。
ずっと三人が画面に映っている。なんやかんやのやりとりはあるんだけど、とにかくずっとカメラに対して正面だ。
そして思い至った。映画のなかでは登場人物三人がずっと正面で揃っているなんて場面、滅多に見ない。

それはもうアルフィーなんだ。

横イチ


つまり何が言いたいかというと、この【デビルシャーク】は、何が映画を映画たらしめているのかを否応なく考えさせる作品だということだ。

かつて【犬神の悪霊】(監督:伊藤俊也)という映画でも似たようなことを感じた。このときにはいかに「編集」というものが大事なのかを知ることができた。流れにそわない箇所でブツッと場面が切り変わると、それだけで人はつい笑ってしまうものなのだ。そこまでがどれだけおどろおどろしいシーンであっても。
意味がわからないかもしれないが、【犬神の悪霊】を観ればわかってくれると思う。そういう意味で見どころしかない映画になっている。


私たちが映画を観るとき、だいたいは安心してその世界に入っていく。

楽しむ準備ができているし、映画もまた入りやすい玄関口を用意してくれている。

だが、この映画はそうはさせない。

玄関というならもう荒れきっている。
草木がもうもうと生い繁り、ノブは鎖でぐるぐる巻きだし、何なら戸を開けてもゴミで塞がれてる。入りづらいったらないんだ。

現代日本映画の質感、あれは思えば何だろう。

あの、やけに顔の凹凸がくっきりする、色調暗めコントラスト強めの絵。肌の感じがやや土っぽい感じといったらいいか。

テレビドラマが映画化した時には特に気になる。

話の調子だとか出ている役者はドラマのままなのに、絵づらだけ変わる。つまるところあれは雰囲気づくりのためのフィルムっぽい加工でしかないんじゃないか。ドラマから映画という格調の高いジャンルに一段上がりましたよ、という一種の暗示じゃないか。

それじゃあ私たちは、まるで1,800円をあの強めコントラストに支払っているみたいじゃないか。


問題はサメじゃない。

サメじゃないんだ。

そしてこの映画は、映画じゃない。

もっと他の何かだ。

みんなでヴィクターを愛でよう!/【クリード 炎の宿敵】を観た!

みんなでヴィクターを愛でよう!/【クリード 炎の宿敵】を観た!

映画【クリード 炎の宿敵】

監督:スティーブン・ケープル・Jr.



<あらすじ>

シルヴェスター・スタローン主演の人気作『ロッキー』シリーズのスピンオフ作の続編。

トレーナーとして、ライバルで親友だったアポロの息子アドニスを見事チャンピオンに導いたロッキー。だが、2人にとって因縁の相手であるロシア人ボクサー、ドラゴとその息子ヴィクターが現れる。『ロッキー4 炎の友情』でドラゴを演じたドルフ・ラングレンが同役で再登場する。

<ジャンル>

ロッキー

<レビュー>


○映画好きのための映画

で、あることは間違いない。

「予習しなくてもじゅうぶん楽しめるよ!」

と言われても、予備知識がない人にとっては、なんとなく食指が動かないかもしれない。

自分も「このアニメ、本当に面白いから今からでも観て!」と言われたことがあるが、薦めてくれる「その手の知識豊富な人」よりも、きっと自分は楽しめないだろうな、そしたら、なんとなく損な気がするな……と思って見なかった。

だから熱心に薦めはしない。

でも、できれば観て欲しい。

自分もそこまで「ロッキー」に詳しいわけじゃない。でも、とってもとっても感動した。

(今月号の映画秘宝をざっと立ち読みしてから行けばじゅうぶんだと思う)


細部の深読みはマニアの人たちのブログを読み漁ろう。それで一週間は楽しめる。

さいわい自分の近くには熱烈なマニアが居て、過去作のオマージュから出演俳優のゴシップ情報(元妻のこととか。あの人、ピーターさんみたいだったよね。顔面)まで解説してくれるので助かっている。あと、その密度に驚かされている。

それこそ映画秘宝をじっくり読んでもう一回観に行くのもいいと思う!

もしくは、想像で補うのもいいだろう。


わたしたちには想像する余地が常に用意されている。

あらゆる映画やドラマは、登場人物の人生の「途中から始まる」からだ。

登場人物の生誕から始まったりはしない。

途中から居合わせるような形で、その人物を知っていく。だからその過去なんて(回想で説明されない限り)知り得るはずもない。

それでも、


ロッキーって誰?

なんて人はさすがにいないだろう。

でもドラゴは?アポロは?

シリーズを一度も観ていない人にとってはわからなくて当然だ。

断言する、それは観る人が決めていいんだ。

すべては想像で補おう。


ロッキー・バルボアは街で総菜屋を営んでいる。一昨年に父親が亡くなり、その家業を継いだのだ。主にシンプルな野菜コロッケを売っている。彼の前に現れたのが裏社会を生きる女暗殺者、エイドリアンだった。エイドリアンはマフィアたちに「掃除屋」と呼称されており、「わたし、実は掃除屋なの」と話したのをロッキーが「総菜屋」と聞き違えたのをきっかけにトラブルに巻き込まれ…………。


これが私の想像による、【ロッキー】第1作目のあらすじだ。

このあと、西部開拓時代からタイプスリップしてきたアポロというカウボーイとの友情物語になっていく。(実はこのアポロ、宇宙の危機を救うためにあらわれたスペースカウボーイなのだ)

要するに、

いきなり本編を観て、想像してみるのも楽しいよと思うという話です。ごめんなさい。


◯ドラゴの息子

まずヴィクターがかわいいじゃないの。

ドラゴの息子だ。殺人マシーンと呼ばれた男の息子らしく、感情が表に出ない。そしてドラゴよりもさらに獰猛だ。

鼻息が荒い。いつもだいたい、ふんふんゆっている。

会食のシーン、みんなスーツを着ているのにヴィクターだけトレーニング着みたいのを着ている。

そしてふんふんゆっている。

試合用のトランクスをプレゼントされても、もちろん嬉しい表情など見せない。

親子で貧しい生活をしているらしく、ふだんは肉体労働をこなしている。

それで夜はリングで人を殴り倒している。【蘇える金狼】みたいだ。

「オレ、ゴハン、タベル……モットツヨク、ナル」

「オレ、ロッキー、ニクイ。パパ、イジメタ、ロッキー、ユルサナイ……」

劇中でこんなセリフはなかったが、家では言ってるはずだ。間違いない。

「オレ」は、ほとんど「オデ」に聞こえる発音で喋っている。

鏡の前では、その鋼の肉体を見つめながら言うだろう。

「オレ、ニンゲン……?」

これを言う人物はだいたいニンゲンではない。

ヴィクターの部屋はきっと壊れたオモチャでいっぱいだ。

合体ロボは手足がひしゃげてしまうし、ゲーム機もコントローラーを握りつぶしてしまうから遊べない。

どんな可愛いぬいぐるみも抱きしめると潰れてしまう。

そして、初恋。

ヴィクターはフラれる。

どうして自分の想いを受け入れてくれないのだと、その子の肩をつかんだ。

と、その子の首がぽきりと折れる。

豪雨の山中で穴を掘りながら、ヴィクターは思い至る。


「ニンゲン、ドウシテ、スグコワレル……?」


かわいいじゃないか!

ほとんどフランケンシュタインの怪物だ。

もしくはアラレちゃんだ。徒競走でキーンと走って地球一周だ。

だとしたら(ハッ!)則巻千兵衛=ドラゴってことか!

みどり先生が出てくると急に渋い顔になる人だ!

しかし、ブリジット・ニールセンは断じてみどり先生ではない。

ピーターさんだ。池畑 慎之介だ。


◯王道

ストーリーとしては王道だ。

「主人公が挫折を味わい、そこから立ち直り、結果を経て(結果を出して、ではなく)ほんの少し成長する」。王道なんだけれど、映画っていうのは本当に面白くて、それじゃあ話が最後まで読めるかといったら、それはまったく別の話になる。

ネタバレになるから言わないけれども、自分がいちばんグッときたのは「誰がロッキーのバトンを受けとったか」ということに尽きる。

これはまったく読めなかった。

「うわっ、うわあああっ」と胸の中で叫んだ。何度も。良い映画というのは、「あらすじで表現できないことがどれだけ豊かに詰まっているか」が条件なのかもしれない。なんてことを観ながら思った。


そして、やっぱり見所はヴィクターだ。

ぜひ、見届けてほしい。

則巻アラレがニンゲンになるところを。かつて千兵衛さんがそうだったように。

ただ断じてブリジット・ニールセンはみどり先生ではない。

ピーターさんだ。

ヴィクター
んちゃ!ヴィクターだよ

(堀内)

今年観た映画 その3(最後)

今年観た映画 その3(最後)

シルとシーフォ





引き続き……

今年観た映画の感想です。

「ユーモアがなければ生きている意味は無い」

ジョン・ウォーターズ



【ひみつの花園】矢口史靖

西田尚美かわんないナアー。

映画によっておばさんにも見えるし、少女にも見える。

小林聡美みたい。

【新仁義なき戦い 組長の首】

菅原文太ヴォイス。ひし美ゆり子の魔性。

出所したあとの組って、総じて裏切るよね!

【ウィッカーマン】

最高に気持ち悪い!

盲目的に信仰する島民達の最後のダンス……まるで諸星大二郎の世界。

死にゆく主人公が神に自分を「救う」か「発狂させて」ほしいと頼む。そこもいいナアー。

【緋牡丹博徒】

藤純子って石原さとみに見える。

口上から始まるのがかっこいい!

また、山城新伍が入れ上げた芸者(花魁?)に焦がれて叫ぶ、

「〆奴!!!!」

というフレーズが頭から離れない。

「しめやっこ」。

聞いたことが無い。

いや居たんだろう。居たんだろうけど。「しめ」「やっこ」って。

はじめ聞いた時は「湿奴」だと思った。

心まで しめらせて今宵 湿奴


一句詠んでみた。だからどうということではない。


【ビルマの竪琴】市川崑

水島!って呼びたくなるね。

じっさい観ながら画面に向かって呼んでいた。一緒に日本に帰ろう!

オウムを使ったやり取りの秀逸さ。

菅原文太という役者の「一本気な感じ」とか「人を惹きつける魅力」を

あんな最悪な形で反映させるっていうのは、すごい意地悪なキャスティングだナア。すごい。

水島!!!!



【アンダー・ザ・シルバーレイク】

まるで黒沢清のホラー。不穏が延々続くも、ところどころ笑える。

そして謎はどこまでも謎。悪夢巡礼。深読みしたくなる。

ニルヴァーナのあの曲を聴くと、今後はこの映画を思い出してしまう。



【近松物語】

4K上映で観た。いい。

事前知識まったく無しの状態で観たから度肝を抜かれた。

【少林寺木人拳】【蛇拳】

いい。

蛇拳→猫拳になっていた。

【ボヘミアン・ラプソディー】

フレディの人生、クイーンのたどってきた軌跡の流れから

曲につながっていくと、もう泣く。

でっかいスクリーンで観れて本当によかった。

IMAXもこういうのだったらどんどん人が集まるよね。



【アタック・オブ・ザ・キラートマト】

トマトが街を襲う。

究極につまらない映画として有名な本作。だが実際に見てみると、すんごく面白い。

連発されるギャグはちゃんとわかりやすいものだし、話も一応筋が通ってる。

いちばん好きだったギャグは、序盤も序盤だけど

「会議室がめちゃくちゃ狭い」

というものだ。

そこに偉そうな大人達が無理して入ってくる。最高じゃないか。

ここだけちょっとモンティパイソン。

【マタンゴ】

キノコが人を襲う。

すてきな映画。

「このキノコを食べたら、いつかキノコになるのよ~」

なんなんだ、それは。なんだそのトンデモ理論は。

「馬鹿ッ! あいつらもう半分キノコだ……」

馬鹿はお前だ。

話の深刻さと「キノコ」って単語の軽さがミスマッチでいい。

だってキノコだ。

ほそくって、くびれてて、急にぽこっと丸いんだ。

元来、深刻なはずがない。




以上です。

他にも何か観たような気がしますが、日記に残ってなかったので忘れました。

今年も(たぶんそうならないけど)よい一年にしましょう!

今年観た映画 その2

今年観た映画 その2

年またいで「今年観た」じゃなくなってますが、引き続き……

映画を観て、もっともっと時間を無駄にしよう!

【男はつらいよ 寅次郎紅の花】山田洋次

寅さん最終章。

日本人にとって「寅さん」とは何なのか。をじっくり考えながら見たい映画。

その格好良さはもちろん、「薄っぺらさ」こそが寅さん。

シリーズ当初はほぼヤクザだもんナア。

来年に新作が出るというニュース!

リリーがどういう形で登場するかが楽しみ。

【男はつらいよ 寅次郎の休日】

最後に満男に言うセリフがやけに沁みたので書き残しておく。

「おい満男。何か困ったことがあったら風に向かっておれの名を呼べ。いつでも飛んで帰ってやる」

これを女の人には言えないのが、寅さんらしい。

【ザ・フライ】

いまさらだけど、ラストシーンがとにかくグッとくる。

もうすっかり蝿になったブランドルが、恋人にライフルを向けられる。

そのライフルの銃口を、ブランドルが蝿の手でもって自分の額にすっと向ける。。。

こんなに切なくなるシーンは他に無いよナア。

【新釈 四谷怪談】木下恵介

殺された後に、お岩を抱えて立ち上がり、歩く小平。

ありえないんだけど、変な説得力があって魅せる。

もうすっかり引き込まれてるから、納得させられちゃう。

それが映画のいいところだよナア。

火事場。お岩が番傘をつくる姿があらわれた瞬間の、その絵の強さ!

火炎がモノクロだからまたいいんだと思う。

【渚のシンドバット】橋口亮輔

「ぐるりのこと」「ハッシュ」「恋人たち」の橋口監督はこの頃からすごい。

説明ゼリフがほぼない。なんとなくの会話にキャラクターの個性がにじむ。

観ている側の集中力を信頼した映像は見ていてずっと心地いい。

あと岡田義徳のボーッとした顔っていつみても良い。



【拝啓、天皇陛下様】

【続・拝啓、天皇陛下様】野村芳太郎

寅さんじゃない渥美清。

拝啓、天皇陛下様。

陛下よ、あなたの最後のひとりの赤子がこの夜戦死しました。

というスーパーとともに主人公が夜の中に消えていくラスト。

死んだシーンを見せないで終わらせるところにグッときました。

【悪魔の毒々モンスター 東京へ行く】ロイド・カウフマン

今年はすっかりZ級映画にはまった。

映像はどこまでもチープ。さらには前作の使い回しの映像も使う!

でも、やる気はなぜかビンビンに感じる。ギャグも盛りだくさん。

特典映像のなかで、監督と毒々モンスターが戯れていて、その映像のオチが「モンスターが監督の母乳を吸って、ゲロを吐く」だったことに今年いちばん狂気を感じました。

要するにそれを面白いと思っている人の映画を見ています。

今後も見ます。

【女衒】今村昌平

何度も「げぜん」と読んでしまうのは何でだろう。

劇中の言葉を使えば「女を貿易する」話。

この映画の主人公もまた【拝啓、天皇陛下様】と同じく、天皇陛下の赤子。

【チキンオブザデッド 悪魔の毒々バリューセット】

ストーリーがしっかりしててもはやZ級映画では無い!

でもたっぷりの血とゲロで満足。

馬鹿馬鹿しいミュージカルシーンが良い!

そしてやっぱり使い回される車の大破シーン。

【パレードへようこそ】

よすぎる。とにかく見て欲しい。

おばさん達がエロ本を見つける場面!

実質的な「悪人」がいない。しがらみにとらわれているだけ。


【ロックンロールハイスクール】

ラモーンズが歌う。

【キャリー】の三つ編み女が踊る。

【インクレディブル・ファミリー】

ジャックジャック!

そういえば感想書いた。

【シベリア超特急】

観た。

【江戸川乱歩「黒蜥蜴」より悪魔のような美女】

黒蜥蜴と明智さんの恋。パンイチの剥製になった宅麻伸。白塗りの小川真由美。

見所しか無い。

最後、明智が死んだと見せかけてから明智再登場までが長い。

あれは誰も騙されないよね。さすがに。

でも、そこがいい。

【パンチライン】

めちゃくちゃ良い映画。

トム・ハンクスのスタンダップ・コメディアンっぷりがすごい。

サリー・フィールド演じるコメディアンに憧れる主婦もいい。

その旦那が悪者じゃなく(普通の映画なら悪役になるはず)、あくまで妻想いの旦那なのがまたしみる。

「人を笑わせる才能に関係なく、家族は君を愛しているよ」

なんて言われたら、自分だったら主婦に戻るな。。

パンチライン→オチっていう意味なんだってサ。

ちょっとお笑いが好きな人なら、最後にトム・ハンクスが繰り出した芸の名前を知っている。


また続きます。

今年観た映画 その1

今年観た映画 その1

年末ですね。

今年見た映画を、何回かに分けて書いていきます。

もう脱会したけど、DMMレンタルにはお世話になりました。

どれもこれも、見て損は無い映画ばかりですので皆さん是非!!!


人生は短いので、

もっともっと時間を無駄にしよう!



【運がよけりゃ】山田洋次

ハナ肇主演。

倍賞千恵子はやっぱりさくらに見えるナァ。


【復讐 運命の訪問者】、【復讐 消えない傷跡】黒沢清

日常の風景の中で、いきなりはじまる暴力。
黒沢清節。脳汁でる。

六平さん、菅田俊、こわい!



【雨月物語】溝口健二

歌に亡霊の声が混じってくるところ、こわいナ。

ラスト、主人公が家をぐるっと回って、幻覚(?)の妻と出会うシーン。

すごい。ぎょっとさせられて、そのあとジンとくる。

【息子】ラストシーンの三國さんを思い出す。



【絞殺魔】

カット割り、スプリットスクリーンの不気味さ。

黒沢清の【ドッペルゲンガー】(大好き!)のまさにそれ。



【不能犯】白石晃士

松坂桃李くんの「愚かだね……人間は」×3回はさすがにキツイ。

あいつを殺したい→実はあいつはいい奴→自分が自殺のパターンは、一回でいいよね。



【宇宙大戦争】

まったく記憶がない。

たぶん宇宙で大戦争があったんだと思う。



【フランケンシュタインVS地底怪獣バラゴン】本多猪四郎

特撮の良さがわかってきた!

CGとは別の「絵力」の強さがあるね。

フランケンシュタインの大きさを示す場面で牢屋を小さくしているのが素敵。

あと、大人のやることじゃないことを大人がやっている良さ。夢があるじゃないか!

最後は大ダコが出てきて、トンデモな展開に。そこがいい。

タコ。なんでタコ。



【シェイプ・オブ・ウォーター】ギレルモ・デル・トロ

リッチな「コワすぎ!」(白石晃士監督のビデオシリーズ)の味わい。

水がきれい。水がエロいと思っている監督がへんたい。

「あ、きみって治癒能力あったのね」と、皆で言いたい。



【狼と豚と人間】深作欣二

=健さんと欣也と三國。

「3人で戦おう!」「昔みたいに!」から、兄弟一致団結……せずに、

長男三國が自分自身が「金と名誉」だけで生きてきたことに気づかされる場面に痺れる。

終わり方もニガイ。

あと健さんが「拷問するか」と言うだけでギョッとする。

あと、決めゼリフだけ吐く女がいるので見もの。



【誘拐報道】

息子を誘拐された夫婦が「チャーハンを食べる」場面があまりに見事すぎる。

ショーケンの「中途半端な悪人」っぷりが、哀れで堪らない。

出だしの断崖絶壁に子供を投げ捨てられないところで、人間性がくっきりと浮かび上がる。

あと、ルミ子が画面に出ると、側に賢也がいないか探す世代です。わたしは。



【予兆 散歩する侵略者】黒沢清

とにかくもう、ずっと不穏。

詳しくないんで分からないけど、物語やらセリフやら音楽だけでなく、画面の構成や照明までがこの「不穏づくり」のために計算されつくされてるんだろう。

ふだんホラー映画を見慣れている人ほど、持続力に驚くんじゃないだろうか。

東出くんの宇宙人っぽさがまた、えげつない。

杏ちゃんは即刻離婚すべきだ。謙はもう洗脳されてるぞ。

「共存しようじゃないか」と宇宙人に提案する人類代表の大杉漣に放つ、

「人類って共存してましたっけ?」

に、ウワーッとなる。

シテナカッターーーー!!!アイタターー!

「……そうとはいえないね」と言っちゃう漣さん。すなお。



【麦秋】小津安二郎

原節子と杉村春子のやりとりにウットリ。

原節子の表情は、いろんな読み取り方ができると思う。

ひねくれた見方をしてもまた楽しい。目ェでかいナー。

若い笠智衆と、若い宮口精二。

【青春残酷物語】大島渚

リンゴをかじるシーン。

リンゴをかじるたびに思い出したい。

【野のなななのか】大林宣彦

綾野(安達祐実)を殺す戦争を、ぐさっと突きつける。ワンシーンで!

綾野が草むらに立ったり、しゃがんだりしているだけのカットは何度見ても泣いてしまう。

なんでかわからない……。

「どうだ。人間は文学どおり生きるだろう」

今年見た映画の中でいちばん強いフレーズでした。



【可愛い悪魔】大林宣彦

火サスでやっていた大林作品がついにソフト化!ということらしい。

「精神的に不安定な主人公(または子供)の見たことが、誰にも信じてもらえない」

というのは、ホラーの王道フォーマットだナ。

見てて安心します。こたつにミカンくらいほっこりするヨネ。

花嫁の瞼の上に目が描かれてるのが何より不気味!

【女囚さそり】伊藤俊也

梶芽衣子かっこいい!!!!

メヂカラすごい。

髪の毛、照明の色で表現されているもの。について考えると何度も見れる。

【はるか、ノスタルジィ】大林宣彦

石田ひかりの肌が荒れている。今の岡田結実ちゃんくらい荒れている。

心配になります。

映像はどこを切り取ってもまあへんたい。最高です。

音楽が久石譲。

すごい。大林監督の映像の独特さと、ぜんぜん混ざり合わない!

クセのぶつかり合い!



【ウェインズ・ワールド】

バカが二人で楽しい。癒される。

ミルウォーキーに行く、という場面は何回も見れる。

マイク・マイヤーズが大ヒットしている【ボヘミアン・ラプソディー】に出ていて、この映画のある名場面を元にした台詞を喋っていた!

あの曲でヘドバンできるか、どうかという。



【悪霊島】篠田正浩

岩下志麻を堪能する。

彫刻みたい。または幽霊画みたいなシマさん。

双子で、くるった方のシマさん(ふぶき)の本物っぽさがスンゴイ。

鹿賀丈史の金田一はT-REXみたい。



【反逆のメロディー】

原田芳雄のモミアゲ。

梶芽衣子は梶芽衣子。

地井さん。蛾次郎。



【蟲たちの家】黒沢清

夫婦の語る「物語」が食い違っていくさまが怖い。

クモのCG感がえげつないが、逆にそれがチープで不気味。


【邪眼霊】

ホラー・モキュメンタリーのはしり。

意外としっかりした作りで驚く。

アイドルが歌う曲のメロディ、ダンスが奇妙!

霊とか関係なく、もう初めから呪われているんじゃないかと思う。

観れてよかった。





つづきます。

ダメは続くよどこまでも/映画【仁義の墓場】

ダメは続くよどこまでも/映画【仁義の墓場】

映画【仁義の墓場】
監督:深作欣二

<あらすじ>
戦後の混乱期、河田組の石川力夫は山東会の賭場を襲い金を奪って逃走する。これを機に山東会と対立するが、石川らは山東会をあっさり壊滅させてしまい…。
<ジャンル>
バイオレンス・アクション

 

<レビュー>
渡哲也が腐っていく。
やくざ映画というと、「主人公が成長していくにつれて保守的な親分や組の体質に疑問を持ち、反抗し、徐々に新興勢力となっていく。
そして、破滅していく」というのが定石だが、この映画は違う。
渡哲也が、ダメになっていくのだ。
石川力夫(実在の人物)は最初から粗暴なキャラクターではある。
というか端的にいってくずだ。すぐキレる。すぐ犯す。だめだ。組長のハナ肇がだいぶまともに見える。問題児に手をやく校長先生の様にも見える。
なんどもいうが、渡がとにかくダメだ。
売春婦とヘロイン決めてセックスする場面なんて、「これが映画の主人公でいいのか」と本気で思ってしまう。
セピア色の画面のなか、女と並んでどろんとしている。釜ヶ崎の汚いドヤだ。すぐ隣で老人が位牌か何かに手を合わせている……。
『日本でいちばん悪い奴ら』での綾野剛のヤク中演技を思い出した。あれも相当救いようがなかった。

 

これはいわば「感情移入拒絶型」の映画だ。
まったくもって主人公に感情移入できない。むしろ、組長のハナ肇や、親友の梅宮辰夫に同情してしまう。
それがまた、クールでいいし、逆に伝わってくるものがある。
映画はとかく「感情移入できた/できなかった」という意見が語られがちだが、なんでもかんでも感情移入すればいいというわけではない。

 

「羊たちの沈黙、見たよ」
「どうだった?」
「最高に面白かったよ!」
「だよね!」
「あのダークな世界観にもうすっかりハマっちゃってさ」
「わかるわかる。ゾッとするよね」
「見てる間、もうずっと感情移入しちゃって。……レクター博士に」

 

こわいんだ。こんな友達がいると。
脳みそ食う奴に感情移入する友達だと、困る。
どうかクラリス(ジョディ・フォスター)に感情移入してくれ、と思う。
『冷たい熱帯魚』のでんでんしかり。ただ『ゴーン・ガール』の奥さんに感情移入する人はいるかもしれない。こわい。
ちょっと俯瞰というか、引いて見ているから分かることもある。
主人公の身になって泣けるとか怒るとか、そういうのではなく、石川力夫の(ある種、一貫した)人生全体で訴えかけてくるものがある。
それは力夫が「ある人物の血をぬぐってあげるシーン」や、「風船を見上げるシーン」などが折り重なって、あぶり出しの絵のようにじんわり浮かびあがってくる。
ような気がする。たぶん。

 

それでは、おやすみなさい。
【インクレディブル・ファミリー】

【インクレディブル・ファミリー】

「暴発必死!お子無双ストーリー」こと、
【インクレディブル・ファミリー】を見ました。

劇場はほぼ満席でした。
席がなくて最前列。首が痛い。
TOHOシネマズだったのでおなじみミニオンの制作現場をとことん見せられ(いいけど)、
視界を広げる練習だと騙された挙句TOHOシネマズカードを持たされ(もう持ってるからいいけど)、
紙兎はやっぱりつまんなくて(これはだめだ)、やはりおなじみの東宝シンデレラこと山崎紘菜ちゃんがいつもよりデカく見え、
妙にやけにネットリした声で告げる「ヌメ(夢)のあるネイ(映)画の時間をノタのしみください」は
やっぱりネットリして聞こえたのでした。

それはともかく、
どこもかしこも、お子、お子、お子。それに付随する母、母、祖母。
さっそく上映開始から隣の席でポップコーンがばらまかれる。

本編の「ジャックジャック」、赤ちゃんさながらにお子無双。
ジャックジャックの能力は、映画内でめまぐるしく追加されていきます。
透明化、巨大化、人体発火、目からビーム、小鬼化(あれは鬼でいいのかな?)
「え、それもありなの?(なら、なんでもありじゃん!)」の連続なのですが
要するにあれは赤ちゃんのメタファーなんですよね。たぶん。
もう手がかからない、かかるどころの騒ぎではない。
そのくらい何でもありの生き物なんだと。

そんなお子たちと一緒に鑑賞できたのは、とっても楽しかったのでした。