【美味しんぼ】を観て死ね 1

栗田くん
栗田くん



年末年始、Netflixで【美味しんぼ】ばかり観ていた。

あの【美味しんぼ】だ。

東西新聞のダメ社員、山岡が同僚の栗田と共に創立記念事業「究極のメニュー」作りに挑む。

そのなかで美食倶楽部を主宰する美食家、そして山岡の父である海原雄山と戦うことになる、あの【美味しんぼ】だ。他にどんな【美味しんぼ】もあるわけがない。

そもそも「おいしんぼ」ってなんなんだ。「おい」「しんぼ」って。

「おいし」「んぼ」か。「お」「いしんぼ」か。
そうか、「おいしん」「ぼ」。「ぼう」なのか?
「さびしんぼ」が「さびしがりや」の「ぼう」、すなわち坊主の「坊」だとしたら当然、「おいしんぼ」では、こうなる。

「おいしがりの坊」

おいしがり。

「おいしんぼ」も相当だが、「おいしがり」はもっとわけが分からない。なんとなくだが、卑しい感じがするのはわたしだけだろうか。

「美味しい」を「狩る」のだ。

「おいしい」を「狩る」「坊主」たちの話。

それが「美味しんぼ」なのか。

ちょっと待ってほしい。

だとしたら「いちご狩り」だって「おいし狩り」だろう。なぜなら、いちごは美味しい。いうまでもない。

「ぶどう狩り」も勿論そうだ。「梨狩り」はどうだろう。

わたしは梨が大好きだ。美味しいからだ。

いうなれば「なしがりの坊」だ。条件通りにさかのぼれば、わたしは「なしんぼ」だ。

「梨」を「狩る」「坊」。

それがわたしだ。

だれが梨を狩る坊だ。ふざけるな。






間違えた。



【美味しんぼ】の良さを伝えたいと思う。


まず、栗田くんがかわいいじゃないか。

「もう、山岡さんったら!」

だ。

とにもかくにも、栗田君は山岡に手を焼いている。

気が付いたらモウヤマオカサンタラばかり言っている。

最初のうちは少し味覚が敏感な女子社員だったが、めきめきと頭角を現していく。ジョジョの奇妙な冒険第4部における康一くんの成長を彷彿とさせる。それでいて、しょうもない蘊蓄を垂れることはない。

毎回きちんと驚いてくれるのがいいじゃないか。

「わーっ、後味がとってもさわやかだわ!」

「こっちのお刺身に比べると鮮度が天と地の差だわ!」


いいと思うんだ。

つくりがいがあるってもんだ。

回を重ねるごとに語彙も増えていく。

「ヒラメがシャッキリポンと舌の上で踊るわ!」


シャッキリポンだ。

すごいんだ。栗田くんの感性は。彼女の性格からして決して奇をてらったわけではないだろう。本当に、すなおに思った。シャッキリして、ポンだと。

舌がいかれてるんだと思う。



それが栗田くんだ。

わたしは栗田くんのようでありたいと思う。


(堀内)

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