みんなでヴィクターを愛でよう!/【クリード 炎の宿敵】を観た!

映画【クリード 炎の宿敵】

監督:スティーブン・ケープル・Jr.



<あらすじ>

シルヴェスター・スタローン主演の人気作『ロッキー』シリーズのスピンオフ作の続編。

トレーナーとして、ライバルで親友だったアポロの息子アドニスを見事チャンピオンに導いたロッキー。だが、2人にとって因縁の相手であるロシア人ボクサー、ドラゴとその息子ヴィクターが現れる。『ロッキー4 炎の友情』でドラゴを演じたドルフ・ラングレンが同役で再登場する。

<ジャンル>

ロッキー

<レビュー>


○映画好きのための映画

で、あることは間違いない。

「予習しなくてもじゅうぶん楽しめるよ!」

と言われても、予備知識がない人にとっては、なんとなく食指が動かないかもしれない。

自分も「このアニメ、本当に面白いから今からでも観て!」と言われたことがあるが、薦めてくれる「その手の知識豊富な人」よりも、きっと自分は楽しめないだろうな、そしたら、なんとなく損な気がするな……と思って見なかった。

だから熱心に薦めはしない。

でも、できれば観て欲しい。

自分もそこまで「ロッキー」に詳しいわけじゃない。でも、とってもとっても感動した。

(今月号の映画秘宝をざっと立ち読みしてから行けばじゅうぶんだと思う)


細部の深読みはマニアの人たちのブログを読み漁ろう。それで一週間は楽しめる。

さいわい自分の近くには熱烈なマニアが居て、過去作のオマージュから出演俳優のゴシップ情報(元妻のこととか。あの人、ピーターさんみたいだったよね。顔面)まで解説してくれるので助かっている。あと、その密度に驚かされている。

それこそ映画秘宝をじっくり読んでもう一回観に行くのもいいと思う!

もしくは、想像で補うのもいいだろう。


わたしたちには想像する余地が常に用意されている。

あらゆる映画やドラマは、登場人物の人生の「途中から始まる」からだ。

登場人物の生誕から始まったりはしない。

途中から居合わせるような形で、その人物を知っていく。だからその過去なんて(回想で説明されない限り)知り得るはずもない。

それでも、


ロッキーって誰?

なんて人はさすがにいないだろう。

でもドラゴは?アポロは?

シリーズを一度も観ていない人にとってはわからなくて当然だ。

断言する、それは観る人が決めていいんだ。

すべては想像で補おう。


ロッキー・バルボアは街で総菜屋を営んでいる。一昨年に父親が亡くなり、その家業を継いだのだ。主にシンプルな野菜コロッケを売っている。彼の前に現れたのが裏社会を生きる女暗殺者、エイドリアンだった。エイドリアンはマフィアたちに「掃除屋」と呼称されており、「わたし、実は掃除屋なの」と話したのをロッキーが「総菜屋」と聞き違えたのをきっかけにトラブルに巻き込まれ…………。


これが私の想像による、【ロッキー】第1作目のあらすじだ。

このあと、西部開拓時代からタイプスリップしてきたアポロというカウボーイとの友情物語になっていく。(実はこのアポロ、宇宙の危機を救うためにあらわれたスペースカウボーイなのだ)

要するに、

いきなり本編を観て、想像してみるのも楽しいよと思うという話です。ごめんなさい。


◯ドラゴの息子

まずヴィクターがかわいいじゃないの。

ドラゴの息子だ。殺人マシーンと呼ばれた男の息子らしく、感情が表に出ない。そしてドラゴよりもさらに獰猛だ。

鼻息が荒い。いつもだいたい、ふんふんゆっている。

会食のシーン、みんなスーツを着ているのにヴィクターだけトレーニング着みたいのを着ている。

そしてふんふんゆっている。

試合用のトランクスをプレゼントされても、もちろん嬉しい表情など見せない。

親子で貧しい生活をしているらしく、ふだんは肉体労働をこなしている。

それで夜はリングで人を殴り倒している。【蘇える金狼】みたいだ。

「オレ、ゴハン、タベル……モットツヨク、ナル」

「オレ、ロッキー、ニクイ。パパ、イジメタ、ロッキー、ユルサナイ……」

劇中でこんなセリフはなかったが、家では言ってるはずだ。間違いない。

「オレ」は、ほとんど「オデ」に聞こえる発音で喋っている。

鏡の前では、その鋼の肉体を見つめながら言うだろう。

「オレ、ニンゲン……?」

これを言う人物はだいたいニンゲンではない。

ヴィクターの部屋はきっと壊れたオモチャでいっぱいだ。

合体ロボは手足がひしゃげてしまうし、ゲーム機もコントローラーを握りつぶしてしまうから遊べない。

どんな可愛いぬいぐるみも抱きしめると潰れてしまう。

そして、初恋。

ヴィクターはフラれる。

どうして自分の想いを受け入れてくれないのだと、その子の肩をつかんだ。

と、その子の首がぽきりと折れる。

豪雨の山中で穴を掘りながら、ヴィクターは思い至る。


「ニンゲン、ドウシテ、スグコワレル……?」


かわいいじゃないか!

ほとんどフランケンシュタインの怪物だ。

もしくはアラレちゃんだ。徒競走でキーンと走って地球一周だ。

だとしたら(ハッ!)則巻千兵衛=ドラゴってことか!

みどり先生が出てくると急に渋い顔になる人だ!

しかし、ブリジット・ニールセンは断じてみどり先生ではない。

ピーターさんだ。池畑 慎之介だ。


◯王道

ストーリーとしては王道だ。

「主人公が挫折を味わい、そこから立ち直り、結果を経て(結果を出して、ではなく)ほんの少し成長する」。王道なんだけれど、映画っていうのは本当に面白くて、それじゃあ話が最後まで読めるかといったら、それはまったく別の話になる。

ネタバレになるから言わないけれども、自分がいちばんグッときたのは「誰がロッキーのバトンを受けとったか」ということに尽きる。

これはまったく読めなかった。

「うわっ、うわあああっ」と胸の中で叫んだ。何度も。良い映画というのは、「あらすじで表現できないことがどれだけ豊かに詰まっているか」が条件なのかもしれない。なんてことを観ながら思った。


そして、やっぱり見所はヴィクターだ。

ぜひ、見届けてほしい。

則巻アラレがニンゲンになるところを。かつて千兵衛さんがそうだったように。

ただ断じてブリジット・ニールセンはみどり先生ではない。

ピーターさんだ。

ヴィクター
んちゃ!ヴィクターだよ

(堀内)

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